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オシャレとイクメンと時々、おか~ちゃん -愚衷百折記-

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じいちゃんの形見のトンカチ

じいちゃんの形見のトンカチ

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私の母方の祖父は、大工でした。 

私が小学生に上がる時に父母が郊外に建売を買いました。

その車庫の上の15畳程もある立派な離れ。
元々、母の内職のための仕事場でしたが、父の死後は大学に入るまでの間、私が根城にしていました。

そして、母屋の裏手の外壁に沿いの物置。

これらは全て祖父の仕事です。

小学生になったばかりの私と4つ下の弟は、真新しい家にやって来て何ヶ月も泊まり込みで大工仕事をしていた祖父の周囲を走り回り、大事な墨壺やカンナ、トンカチをオモチャにして遊んでいました。

正直、仕事の邪魔だったと思うのですが、叱られた記憶もありません。
可愛い孫のすること、きっと大目に見てくれていたのでしょう。

昔の田舎の職人気質の大工で、建築確認申請もせずに建てて、慌てて役所が飛んで来て、祖父自身が叱られていたような、、、


私が小5の時、祖父は他界しました。
内孫の一人が交通事故で急逝したショックで体調を崩し、数ヶ月も間を空けずに後を追うように亡くなりました。

臨終の時、私は小学校に居て、音楽の時間に先生に呼び出され、ドキドキしながら両親の迎えを待っていました。

今でも忘れられない記憶です。

49日も過ぎた頃、祖父の形見分けで、何故か外孫の私が大工道具の一部を貰い受けることになりました。

ノコギリ、カンナ、トンカチでした。
学校の技術家庭科の授業でも大活躍でした。


先日、そんな大事なトンカチとは露ほども知らず、妻がバールのような使い方をして、ポッキリ折ってしまいました。

ちょっと寸足らずになってしまいましたが、何とか修理しました。

折れた部分から切断して、先端を荒削り。
頭の部分な穴に合うように、確認を繰り返しながらグラインダーで調整。
キシラデコールで塗装して、取り付け。
頭が緩まないよう楔替わりに釘を打ち付けて完了。

大工の孫として恥ずかしくない仕事かどうか分かりませんが、きっと祖父はあの世からあの頃と同じ眼差しで、優しく見守ってくれていたのではないかと思います。


by e110wildthing | 2018-07-01 23:30 | 思い出
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ファッション(ていうか、買い物の記録?)をメインに日常の思索を少々


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