「天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災」 磯田道史
「天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災」 磯田道史
2018年も北海道胆振地方地震や相次ぐ台風の直撃によって日本各地で多大な被害が発生しました。
これだけ科学技術が進歩しているにもかかわらず、未だに想定外の事態が起きてしまっています。
大自然の計り知れない偉大さに対して、いかに人間の力が儚いものかを痛感させられます。
地震や津波など防災に関しては、とかく理系分野から語られることが多い中、災害史からの分析をしている本書は貴重です。
史実を知ることによって、同じ轍を踏まないようにする、教訓にすることは歴史を学ぶ重要な意義のひとつであります。
自然災害は、時の政権や戦の勝敗にも大きな影響を与えて来たこと。
災害に直面し、親への忠孝を重んじて、老親の命を優先し、幼子を止む無く津波の濁流へと放り出すという命の選別。
著者が解く古文書の記述を興味深く読みました。
そして、未来に向けての警鐘。
特に100年周期で起きている東南海、南海トラフ地震。
考えただけで恐怖と不安しかありません。
しかし、来たるべき時に備え、可能な限りの態勢を整えたいものです。
by e110wildthing
| 2018-11-06 23:30
| 読書