「人魚の眠る家」 東野圭吾
「人魚の眠る家」 東野圭吾
幼児の脳死と臓器移植を巡る物語。
「脳死は、人の死か?」については、随分と議論されてきた難しい問題です。
私見ですが、医学的に不可逆的な状態で「死んでいる」と宣告されても、心臓が動いていて、身体も成長していく様を見ていると、なかなか受け入れ難いなというのが、実際のところではないでしょうか。
ましてや、かわいい我が子となれば尚更のこと。
臓器移植を待つ側の立場となれば、また、考え方も変わってくるのでしょう。
そのあたりの心の機微を種々の登場人物に巧みに代弁させているのも上手いですね。
エピローグで、著者ならではの凝った仕掛けが用意されていて、もう一味、楽しめます。
by e110wildthing
| 2019-02-06 23:30
| 読書